エンジニアブログは技術的であるべきで登壇は衒学的であると思う理由 - じゃあ、おうちで学べる
登壇の一つの重要な目的は、聴衆を「やる気にさせること」であり、具体的な方法論よりも「そういうアプローチもあるのか!」という気づきと挑戦意欲を引き出すことにあります
エンジニアが登壇する際に陥りがちな罠として、「実装の全てを順番に説明したい」という欲求があります。私自身、初期の登壇では「前提条件から始まって、検討事項、実装の詳細、遭遇した問題、その解決策...」と、まるで技術文書を読み上げるような発表をしていました。
しかし、これは聴衆にとって拷問に近い体験になりかねません。30分や60分という限られた時間で、数ヶ月かけたプロジェクトの全てを伝えようとすれば、必然的に各要素は薄く、浅く、退屈なものになってしまいます。
優れた登壇は、技術レポートの朗読ではなく、一つの物語として構成されるべきだと私は考えています。物語には起承転結があり、クライマックスがあり、教訓があります。全ての詳細を均等に扱うのではなく、最も印象的で価値のある瞬間にスポットライトを当てることが重要です。